ある人のすすめで、あるユーチューブを見た。
わたしが見ない分野のユーチューブだ。
どういうものか、というと、
昭和時代に建った一軒家に住んでいる人が、自分の日常生活を動画にしているものだった。
その家には、わたしが子供時代によく見たような、花壇とその周りに雑草が生い茂っている庭がある。
家の主人が家から出てきた。
主人は、昭和の時代を生きてきた人ではなく、20代の若者。
おもむろに草取りを始めた。
ナレーションも、本人の声もなく、映像とともに音楽がずっと流れている。
2、3分見ていたが、特に何か特別なことをしていないので、飽きてきた。
切らずにそのままにして、わたしは、他のことを始めた。
動画のBGMの音楽だけが聞こえてくる。
変わらない音楽が耳ざわりになってきた。
いじわるな考えが浮かんでくる。
「べネシアさんの京都・大原にある古民家での生活」を描いたテレビ番組は、音がうるさく感じることはない。
映像もたくみに編集されて、あきることはない。
このユーチューブをプロが作ったらもっとよくなるはずだ。
ユーチューブは、スマホ一つで簡単に映像がとれて、編集は、やり方を覚えればすぐ、一人で出来てしまう。
プロの場合、例えばテレビの2時間の「特別番組」の場合は、
制作時間は、3か月以上。企画からだと半年~1年かかる。
バラエティー番組では、1か月半~2か月もかかっている。
制作するスタッフは、
番組を企画する プロデューサー、
出演者やスタッフに指示を出す ディレクター、
時間をはかる タイムキーパー、
カメラマン、
撮った映像を編集する 編集者、
音を拾ったり、音響効果を加えて編集する 音声スタッフ、
照明スタッフ 他、
たくさんの人が関わって作られている。
カメラマンは、基本的に専門学校、大学の映像学科を卒業している人がなり、
映像の編集者は、同じく専門学校、大学の映像科を出ている人が多い。
これでわかるように、制作のための予算も、時間も、人も、プロは、大きく違う。
ユーチューブとプロが作ったテレビ番組では、全く違うのがわかる。
しかし、ユーチューバーが作った映像が、アマチュアのレベルでも、やっている内容がおもしろいから、支持されているのである。
視聴者の様々な興味に応えているから、たくさんの人が見ている。
その一方、飽きられれば、作品として残るということがなく、消えてしまう。
プロが作るものは、まずクライアント(注文する客)から依頼があって、仕事が始まり、クライアントの意向に沿って作品が作られる。
当然クオリティの高さを求められる。
ユーチューバーは、自分のお金で、撮影や編集をやっているので、自分の好きなものを作れる。
基本的にこの二つは、違う。
では、今どんどんユーチューブで映像を発信している状況で、プロとユーチューバーは、競合しないのだろうか。
メタルゾンビの渡辺さんは、「この二つは、フィールドが違うので、競合しない。ただ、プロとアマチュアの境目がなくなってきている。高い技術を持つプロは、必要でありなくなることはない。」と言っていた。
わたしが見た、「家の庭の草むしり」の映像は、視聴者に指示されているようだ。
映像技術や音響云々ではなくて、視聴者に受けた、ということ。
きのう、ユーチューブで「会社員の1日」を、見てみたが、おもしろさがわからず、途中でやめた。
見る人は「癒し」とか「共感」とかあるのかもしれない。
プロが作ったクオリティの高いものが合う映像と、ユーチューバーが発信する映像、とは、目的が違うのだ、とわかり、
ユーチューブを見るストレスが、少し減るかもしれない。
でも、おもしろいのかなぁ~と思うのが、ホント、多い。
参考:ペンクリ
metalzombi チャンネル
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