ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を知っていますか。
キューバ革命前に、一流のミュージシャン達が出演していたキューバの会員制ナイトクラブの名前です。
映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は、当時、出演していたミュージシャン達が、革命後に仕事がなくなり、工場などで働いていたところを捜し出されて、再びスターになるまでを描いたドキュメンタリー映画です。
わたしは、キューバのラテン音楽は、詳しくなかったのですが、
この映画を観て、すっかりファンになってしまいました。
キューバの音楽は、スペインとアフリカの音楽が交じり合って、生み出されたもので、ルンバ、マンボ、チャチャチャは、有名ですね。
キューバ音楽について知らなくても、ドキュメンタリー映画として素晴らしい『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。
第72回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされました。
時間が止まったハバナの街並み
アメリカのミュージシャン、ライ・クーダが、キューバに行って、かつて活躍していたミュージシャンのもとを訪ね、一緒に演奏したいと申し入れます。
彼らは、すでに老齢に入っていて、食べるために様々な仕事をしていました。
何十年も音楽から離れていたというのに、いざ演奏を始めると、
かつての全盛期を彷彿させるもので、ライ・クーダは感動し、レコーディングを開始します。
この時レコーディングしたものが、アルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。
世界的に大ヒットとなり、1997年のグラミー賞を受賞します。
2年後の1999年には、このアルバムをベースに、同名の映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』が製作され、
キューバ音楽と魅力ある人物描写のドキュメンタリー映画として、大成功をおさめました。
その18年後、成功を収めた老ミュージシャン達のその後と、最後のツアーを追った
ドキュメンタリー『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス』が作られ、また、多くの人々に感動を与えたのです。
キューバ音楽豆知識
スペインの音楽とアフリカ系の音楽が、融合し生まれたのが、
キューバ音楽です。
ルンバ、マンボ、サルサなど、スタイルは多種多様。
🥁 サルサ
ニューヨークでキューバ音楽をもとに、ジャズの要素をいれて作られたリズム。
🥁 ルンバ
キューバに渡ったアフリカ系リズム。
コールとレスポンスによる歌と、何種類かの太鼓のリズムによって奏でられる。
🥁 チャチャチャ
1940年代にダンス音楽から生まれ、「ギロ」の刻むリズムが特徴。
「ギロ」とは、ひょうたんの内側をくり抜き、外側に刻みをいれて、棒でこすったり、叩いたりする打楽器。
🥁 マンボ
1930年代後半にキューバで流行していたルンバに、ジャズの要素を加えて作られ、1940年代後半に、ペレス・プラートにより世界的に知られるようになりました。
「ベサメ・ムーチョ」は、日本でも有名ですね。
ライ・クーダの功績
キューバは、アメリカのフロリダ半島の南に位置する、人口1130万人ほどの島国です。
キューバ音楽は、1959年のキューバ革命後は、次第にすたれていきました。
世界的なスライドギターの名手としても有名な ライ・クーダが、かつてのキューバ音楽に魅了されていたことが、老ミュージシャン達の運命の転機に結びついたわけです。
彼らは晩年に、再び脚光を浴びることが出来ました。
映画は、奇跡と言えるようなストーリーを、美しい映像と、キューバの音楽をからめて、見事に描き出しています。
ドキュメンタリー映画として、また、キューバ音楽を知る映画として、
人生を深く考えさせられる、素晴らしい映画です。
おすすめです♪
参照:daislikemosaic・ブエナビスタソシアルクラブ:時の流れが止まったハバナを背景にキューバ音楽の古老たちの復活を魅力的なナンバーに乗せて描く
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