さだまさしのことを、知らない人はいないと思います。
シンガーソングライターとして、また、トーク、つまり話がおもしろいので、ファンが幅広い稀有な人です。
実際、トークを聴いていると、人のこころをつかんで離さない魅力があります。
好き勝手に言っているのが面白いのですが、それが不快に感じないのは、彼に深い愛があるからなんでしょう。
おもしろい人になりたい、と思う人は多いです。
おもしろい人でも、話がおもしろい人って、まわりを見ても少ない。
話がおもしろいということは、おもしろいネタを持っている、多種多様な経験をしているから、だと思うのです。
さだまさしさんも、子供時代から、経済的に困窮したり、ヴァイオリンを習って将来はプロになりたい夢が挫折したり、
家族の環境、降りかかった困難を乗り越えた経験、から、独自の考えが生まれてきたのでしょう。
おもしろい人というのは、その場をわーっと笑わせるのも、おもしろい人。
そんな人も明るくしてくれるのでよいですが、
わたしが好きなおもしろい人とは、話をしていて、そのコメントが人を引きつけて、もっと話してみたい、と思うような人、です。
これって、実は難しいのです。
苦労を次から次へしてきたから、おもしろい人になれるわけではありません。
普通の人が経験したことがない、秘境に行ったこと、時速300キロのフェラーリに乗った、バンジージャンプを経験した人、は経験談はおもしろいけれど、
他の話がおもしろいか、となると、別なのです。
おもしろい話が出来る人、というのは、人生や自分自身を俯瞰(ふかん)して見ているから、
話のスケールが、私小説ではなく、ユーモアが入った鳥瞰図みたいになっているから、だと思うのです。
これって、かなり大変なんです。
生きていると、不平不満、愚痴、泣き言、を言いたいことがたくさんあります。
その中から、相手への思いやりを持ち、ユーモアや、愛のある言葉、ジョークを言える人がどれだけいるでしょう。
そういう人が、厳しい内容の本音を言っても、嫌みに聞こえなくて、おもしろいと思われるのは、相手への愛を感じるから。
ここまで行くには、風雨に耐え、灼熱の砂漠を歩き、凍てつく氷河の道をひたすら歩いてきたからだと、思っているんです。
そのな人生で、人への愛があるから、おもしろい事が話せる。
いろいろな経験をしているからこそ、おもしろいことが思いつき、話せる。
のでは、ないでしょうか。
もう一つ、おもしろい話が出来そうな人生とは、
元ライフネット生命保険の会長で、現在、立命館アジア太平洋大学の学長である出口治明氏の書いた
『還暦からの底力』に、こんなことが書いてあります。
「人生には『喜』『楽』はもちろん、『怒』『哀』もあったほうがよい。
喜んだり怒ったり、哀しんだり楽しんだりたくさんあるほうが面白いし、
人生は豊かになる..」
出口さんの話は、たしかに面白い。
こんなところに、おもしろい話の出来るヒントがありそうです♪
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